休憩時間の目安

看護師は患者さんの心身の健康を守る、責任の重い仕事です。身体的にも精神的にもハードなため、適度に休憩しなければ万全の状態で働くことはできないでしょう。そのため、法律でも看護師の休憩時間についてはっきりと定めています。勤務形態ごとに、労働基準法で定められている休憩時間を見ていきましょう。

休憩時間の目安

勤務時間によって異なる

看護師は勤務する病院によって二交代制か三交代制に分かれ、それぞれ日勤と夜勤を交代で行う変則シフトになっています。まずは日勤の休憩時間から見ていきましょう。勤務時間が6時間以上~8時間未満のパート勤務には45分、8時間以上勤務する常勤には1時間の休憩時間が設けられています。
次に夜勤の休憩時間についてですが、夜勤は二交代制か三交代制で勤務時間が大きく異なるため休憩時間も違います。二交代制の場合は16時間、三交代制の場合は大体6~8時間勤務です。16時間勤務の二交代制の場合は1時間、6~8時間勤務の三交代制の場合は45分~1時間の休憩をとることが明記されていますが、近年は看護職の働き方改革が進められ、休憩時間の延長について議論が交わされています。特に夜勤は日勤に比べて人数が少ない割に勤務時間が長いため適度に休憩をとらなければ心身の健康を害してしまう可能性があります。
夜勤は普段寝ている時間に働くため体内時計が狂いやすくなるなど、日勤より大きな負担がかかっています。そのため、休憩時間に仮眠をとる人も少なくありませんが、1時間では食事をするだけで終わってしまいます。食事と仮眠をとることを考えると最低でも2~3時間は必要でしょう。日本看護協会も二交代制の場合は法律で定められている休憩時間よりも長い2~3時間の休憩をとることを推奨しています。

休憩できる時とできない時の差が激しい

法律では8時間以上の勤務の場合は1時間の休憩をとることが定められていますが、患者さんの人数や状態によっては休憩がとれない場合もあります。急患がいなければゆっくり仮眠できますが、急患が運ばれてきたり、患者さんの状態が次々と悪化したりすると座る時間すらない、という場合もあります。
看護師は集中力が必要な仕事です。休憩せずに働き続けるのは非常に危険です。疲労で集中力が切れ、重大な医療事故を起こしてしまいかねません。そうならないためにも適度に休憩をとる必要がありますが、忙しい状態では中途半端に仕事を残してしまうことに後ろめたさを感じてしまう人もいます。しかし、いつ誰がそのような状態になるかは分からないのです。後ろめたさを感じるのではなく、「お互いに助け合う」という気持ちでいましょう。

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